糸リフトは、たるみが気になり始めた方に選ばれている施術のひとつです。
切開を行わず、医療用の糸を用いたリフトアップで輪郭のラインを整えますが、素材や本数、施術方法の違いによって効果の出方は大きく変わります。
また、ダウンタイムの程度や継続期間についても、事前に整理しておきたい点がいくつかあります。
この記事では、糸リフトの仕組み、使用される糸の種類、施術によって得られる効果の流れを順に解説しています。
さらに、向いている人・向かない人、ダウンタイムの時期ごとの目安、料金の考え方、合併症やリスク、本数の目安までまとめています。
施術を検討する前に、全体像を把握するための参考として活用してください。
糸リフトとは？
ここからは、糸リフトの基本を確認していきます。ここからは、素材の違いや働きな説明します。
糸リフトの仕組み
糸リフトは、医療用のスレッド（糸）を皮下やSMAS層に通し、皮膚や組織を支えながら引き上げる施術です。
使用する糸の素材は、吸収のスピードや柔らかさなど、それぞれ特性が異なります。
患者様ご自身の悩みや目的に合わせ、医師と相談しながら最適な素材を選んでいただけます。
| 素材（医療用） | 吸収目安 | 特徴のポイント |
| PDO | 約6〜12か月 | 肌のハリ感につながりやすい |
| PLLA | 約18〜24か月 | 引き上げの保持を意識した設計 |
| PCL | 約24〜36か月 | 吸収され長めの持続傾向 |
糸には「コグ」と呼ばれる小さな突起が付いており、たるみが気になるラインをしっかりと支えます。
また、糸が体内で吸収される過程でコラーゲン生成が促進され、肌のハリや質感の改善にも効果が期待できます。
まるやま美容クリニックでは、上記の糸の他に、テスリフトという糸の周りに3Dメッシュが巻かれた糸リフトも扱っています。
テスリフトは脂肪委縮効果があり、また固定力が強いという特徴があります。
通常の糸との併用も可能ですし、テスリフト単独での施術も可能です。
通常の糸よりも固定力が強いので、併用すると引き上げ効果を最大限維持することが可能です。
糸リフトの効果
糸リフトの施術直後から、引き上げ効果による輪郭の変化をご実感いただける方が多くいらっしゃいます。
その後、コラーゲンが生成されるにつれて、徐々に肌の弾力アップやフェイスラインが整うといった変化が現れます。
たるみが強い方には、糸リフトに加えて他の治療を組み合わせることも可能ですので、患者様にとって最適な方法を医師と相談しながら決定できます。
糸リフトに向いている人・向かない人
糸リフトは、軽度から中程度のたるみ、具体的にはほうれい線やフェイスラインのもたつきが気になる方に適した治療法です。
ただし、たるみが非常に強い方や、お顔のボリューム変化が大きい方には、別の治療法が推奨される場合があります。
ご自身に最適な治療を見つけるためには、患者様と一緒に最善の治療法を検討してくれるクリニックを選ぶことが、不安や負担を軽減するポイントとなります。
糸リフトのダウンタイムと経過
ここからは、施術後の過ごし方を確認していきます。ここからは、無理のないペースで回復できるよう、時期ごとの目安もお伝えします。
| 目安時期 | 症状の傾向 | 生活の目安 |
| 当日 | 軽い痛み・つっぱり感 | シャワーのみ可 |
| 1〜3日 | 腫れのピーク | 長い入浴・飲酒は控える |
| 〜1週 | 違和感が落ち着く | 入浴は1週間後が目安 |
| 1〜2週 | 表情の動きが自然に | 激しい運動は控える |
あくまで目安なので、状態により前後します。気になる症状があるときは、遠慮せずクリニックに連絡すると安心です。
ダウンタイムの症状（痛み・腫れ・内出血）
施術後、ダウンタイムとして、軽い痛み、腫れ、内出血、つっぱり感などが生じることがあります。
これらは多くの施術で一般的に見られる反応ですが、通常は数日から1～2週間で自然に治まります。
もし、これらの症状がつらいと感じられた場合は、我慢せずに早めにご相談ください。
適切な対処法をご案内いたしますので、ご安心ください。
食事・洗顔・メイク・入浴の再開時期
洗顔やメイクは、触れない範囲であれば当日から再開可能なケースがほとんどです。洗髪は翌日から、入浴は1週間後を目安にご案内しています。
ただし、強くこする行為や、大きく口を開ける動作は、違和感を強める可能性があるため、無理のない範囲で避けていただくようお願いいたします。
術後の過ごし方とNG行為の例
横向き寝、強いマッサージ、サウナ、激しい運動、飲酒は、腫れを長引かせたり、糸の位置に影響を与えたりする可能性があるためお控えください。
枕を少し高めにする、冷やしすぎない程度に短時間だけ保冷するなど、優しくケアしてください。日常生活での動作は問題ありません。
糸リフトの効果と持続期間
ここからは、糸リフトの効果が現れるタイミングと持続性について説明します。
効果が出るタイミングとピーク
糸リフトは、施術直後から輪郭の変化を実感しやすい治療です。
腫れが引くとともに表情は自然になり、施術から1ヶ月程度で肌の弾力やハリが整ってくる方が多く見られます。
焦らず経過を見ていただくことで、より変化を実感しやすくなります。
持続期間と素材差（PDO/PLLA/PCL）
素材の種類によって吸収されるスピードが異なり、効果の持続期間も変わります。
PDOは比較的早く吸収され、PLLA、PCLの順に、よりゆっくりと分解されていきます。
どの素材が最適かは、お客様の目的や肌質によって異なりますので、丁寧なカウンセリングを通じてご納得いただける選択をすることが重要です。
効果が続きにくい理由と設計の要点
糸リフトは、糸が浅い層に入りすぎたり、たるみの原因が他にある場合など、期待した効果が持続しないことがあります。
そのため、本数、入れる層、角度、固定点などを適切に設計することが重要です。
これらの点について丁寧に説明してくれる医師を選ぶことで、安心して施術を受けられます。
糸リフトの値段と費用相場
ここからは、費用の見方を整理します。ここからは、本数や素材による違いを説明します。
クリニックや使用する糸によって価格帯は大きく変わります。
見積もりをもらう際に、麻酔・薬代・再診などの費用も併せて確認しておくと安心です。
本数別の料金目安（4本・6本・8本・10本）
糸リフトは、本数を増やすことでリフトアップできる範囲が広がりますが、それに伴い総額も変動します。
多くのクリニックでは、4本、6本、8本、10本といった段階的な料金設定がされていますので、ご自身の目的やお悩みに合わせて、最適な本数を医師と一緒に検討できます。
焦らず、必要な本数を確認する姿勢でご相談ください。
クリニックごとの料金比較の見方
糸リフトの料金は、ショートスレッドが比較的安価である一方、テスリフトのようなメッシュタイプは高額になる傾向があります。
正確な費用は、クリニックの地域、実施中のキャンペーン、会員制度の有無によって変動します。
最新かつ正確な料金情報を知るためには、クリニックの公式ウェブサイトを確認することをおすすめします。
モニター・無料・0円表示の確認
モニター価格には、写真撮影や症例掲載の同意が含まれることが多いです。
また、「0円」表示は条件付きの場合もあるため、麻酔代や追加本数の費用などをあらかじめ確認しましょう。
不安があれば遠慮なく医師に質問してください。
糸リフトのデメリットと失敗リスク
ここからは、気をつけたいポイントや起こりやすい症状をまとめます。
落ち着いて対処する方法もお伝えします。
| 症状 | 概要 | 初期対応の例 |
| ディンプル | 軽い凹みや牽引の跡 | 圧迫・経過を見守る |
| 糸の透見・露出 | 糸が見えたり飛び出す | 早めの診察 |
| 感染 | 赤み・熱感・痛み | 抗菌薬・処置 |
| 左右差 | 腫れや固定の差 | 経過を見て調整 |
トラブルは、ほとんどが時間とともに落ち着くものですが、不安な場合は早めに診察を受けると安心です。
代表的な合併症と頻度の概観
腫れや内出血は最もよく見られる反応で、多くは自然に治まります。
ディンプルや糸の透見も一時的で収まる場合が多いですが、気になるときは確認してもらいましょう。
早い段階で相談すると、対応もしやすくなります。
ボコつき・ひきつれ・左右差の初動対応
ボコつきやひきつれは、一時的に起こっても次第に馴染むケースが多いです。
強い痛みや赤みがある場合は、感染などの可能性もあるため早めに連絡する方が安心です。
決して自分で押したりせず、医師の判断を仰ぎましょう。
修正・除去の判断
糸の移動や露出、強い違和感が続く場合、抜去などの対応を検討します。
再施術は炎症が落ち着いてから行います。
不安を軽減するためには、丁寧に説明を行い、必要な時に適切な提案をしてくれる医師を選ぶことが重要です。
糸リフトの本数目安と年代・部位
ここからは、年代別にどれくらいの本数が使われやすいかをお知らせします。ここからは、あくまで参考としてご覧ください。
20代の本数
20代では、フェイスラインの軽いもたつきや予防目的で糸リフトを受ける方が多い傾向があります。
片側3〜4本など、少ない本数で優しく整えることが中心で、将来のたるみ予防として取り入れられる場面もあります。
30代の本数
30代になると、頬の位置や脂肪の変化によって、たるみを実感しやすくなります。
フェイスラインに2〜4本、中顔面に2〜3本などの組み合わせで、無理のないリフトを目指すケースが増えます。
自然さを大切にした設計が安心です。
40代以上の本数
40代では、ほうれい線やマリオネットライン、顎下の部分に複合的なたるみが現れやすく、必要な本数が増えることがあります。
ただし、本数をただ増やすのではなく、どの層をどう支えるかが重要になります。信頼できる医師と相談しながら決めていきましょう。
糸リフトに関するよくある質問
ここからは、糸リフトに関するよくある質問に回答していきます。
糸リフトは痛みがありますか？
局所麻酔や笑気麻酔を併用するため、施術中の強い痛みは出にくいとされています。施術後はつっぱり感や軽い痛みが数日続くことがあります。
効果はいつから感じますか？
直後に引き上がりを実感する方が多く、その後1か月ほどでコラーゲン生成が進み、肌の質感が整っていきます。
ダウンタイムの目安は？
腫れやつっぱりのピークは1〜3日目、1〜2週間で徐々に落ち着くケースが一般的です。
糸リフトが向かないケースはありますか？
強い下垂や皮膚の余りが大きい場合は、別の治療が勧められる場合があります。診察で適応を確認することが必要です。
どのくらい持続しますか？
PDOで6〜12か月、PLLAで18〜24か月、PCLで24〜36か月が目安です。肌質や設計によって変動します。
糸リフトに関するまとめ
糸リフトは、医療用の糸で輪郭ラインを整える施術です。
素材や本数によって仕上がりや持続期間が変わるため、目的に合わせた設計が重要になります。
ダウンタイムは数日から1〜2週間が一般的で、経過には個人差があります。
費用やリスクを事前に確認し、不明点は必ず医師に相談した上で判断することが大切です。
